全僕にできる恩回し

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読書記録や住んでるシェアハウスの暮らしをつらつらと。

「モノ起点」から「ひと起点」へ

 

ビデオリサーチが提案するマーケティング新論 マインド・ホールを突破せよ。

ビデオリサーチが提案するマーケティング新論 マインド・ホールを突破せよ。

  • 作者: 株式会社ビデオリサーチひと研究所
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2015/11/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

 

これからのマーケティングを考える上で、「ひと起点」はマスト。

“視聴率”で有名なビデオリサーチさんによる

長年貯めてきたデータから分析と考察、仮説の提案は説得力があって

サクッと読めるので、マーケター初心者に超おすすめです。

 

 

 

ビデオリサーチさんのイメージ変わった!笑

 

 

 

 

さて。

よく言われる話だが、

 

インターネットの浸透によって、世の中には大量の情報が溢れ、

 

「企業は生活者に『伝えたいメッセージ』を届けることが難しくなっている」(p.12)

 

 

そんな中で、

どーしたら生活者に企業のメッセージを届けることができるんだろうか

 

 

複雑に見えるコミュニケーションの糸を解きほぐし、

シンプルな法則とソリューションを提案するのが、この本のテーマ。

 

 

情報が氾濫しているからといって、

生活者はすべての情報をシャットアウトしているわけではなく、

『心に響く』メッセージは存在している。

 

 

その『心に響く』ためには、心の壁を超えて、マインドホールを突破せねばならない。

 

そりゃあそれができれば苦労したいよ、と思うが

 

その「マインドホール」の突破方法を教えてくれてるのがこの本!

 

 

 

 

 

その極意となる考えは…

 

 

 

 

 

 

「生活者には『考え方のクセ』があり、それに基づいて行動している」(p.54)

 

 

 

…当たり前か!

と突っ込みたくなるかもしれない。

 

 

いやでも考えてみてほしい。

 

 

デモグラフィック属性(性別や年齢)で区切っているだけでは

決して見えてこない仮説が立てられる。

 

考え方のクセはとても汎用的で、ちょうどいいセグメンテーションだと思う。

 

 

これだけ生活が多様化している社会で、デモグラ分析に多少の意味はあれど、

それで掴める傾向よりは、

『考え方のクセ』による分類をして、それに合ったコミュニケーションをとることの方が情報が刺さるのではないだろうか。

 

 

ビデオリサーチ株式会社による「考え方のクセ」による分類は6パターン紹介されている。

 

①トレンドフリーク

②スマート目利き

③雑学ロジカル

④コミュニティ同調

⑤ナチュラル低関与

⑥堅実ストイック

 

 

ちなみに

下記のURLから、「考え方のクセ」診断ができるので、ぜひやっていただきたい。

(ビデオリサーチさんがやられているサイトに遷移します)

(僕は「堅実ストイックでした」)

 

vrhitoseg.com

 

 

この区分けってすごく大事で、

「この人たちは、こーゆー考え方をするから、この媒体使って、こんなメッセージを発するのが有効だよね」

って考えることができる。

 

やはりこのご時世、一方的に情報を発信するだけだと、見向きもされなくてスルーされてしまう可能性が高い。

 

だって情報量が爆発的に増加しているのに、消化できる量は増えてないから。

 

だから、

情報を届ける際に「どんな人に届けるのか」というイメージは必須であって、

その人がどうしたら情報を受け取ってくれるのかまで想像してメッセージを発信しなければならない。

 

これだけ情報が溢れていても、生活者は生きていくなかで購買活動はするし、

必要な情報、欲しい情報は必ずあるわけで、

それを「考え方のクセ」という切り口でコミュニケーション設計していくことは非常に有用である。

 

さとなおさんの『明日の広告』でも同じようなことが書かれていましたね。

 

www.onmawashi.com

 

 

 

 

「ひと起点」という、当たり前といえば当たり前の、

本来あるべきシンプルな考え方に立ち返ることで、伝えたいメッセージを伝えやすくする。

 

 

いずれにせよ、

情報を届ける際に、その届けたい相手を徹底的にイメージできているか

がとてつもなく重要なポイントなんだよ、って話。

 

 

 

 

 

(このブログは、だれに向けて書いているんだろう…っていうと基本自分…ブログの意味…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

猛省。

 

 

 

 

 

 

 

さらにこの本では、

6パターンそれぞれによる、マインドホールを突破できるキーワード、跳ね返されるキーワードが紹介されていたり、タレントさんなどが挙げられており、

 

 

加えて、

・アサヒビールの「スーパードライ ドライプレミアム」

・フィリップスの「ノンフライヤー」

・日立ソリューションズの「ヤクルトスワローズのチケットなどのファンビジネス」

など事例紹介も面白い。

 

 

 

繰り返しですが、

 

情報が溢れ、個々の思考が多様化していく中で

これから消費者を理解していくには

 

・どんな考えをしているのかを、ミクロ単位から見ていき、そこから仮説立てていくことが大事。

→(意外に)考え方のパターンはまとめられ、汎用的。

 

やっぱエスノグラフィーというか、デプスインタビューなど、

実際に消費者の声を聞き、そこから全体のコミュニケーションを考えることをもっとしていくべきだと思うんすよね。

 

 

 

 

 

すごくいい本なので内容を詳しく書きたいけれど、

本をそのまま引用しちゃいそうなので、(著作権的にあかんので)

ぜひご一読されるのが良いかと思います!

 

▼本はこちらから買えまーす!(Amazonに飛びます)

https://amzn.to/2vfPDRD

 

以上

 

生きること 食べること

 

わたし、解体はじめました ─狩猟女子の暮らしづくり─

わたし、解体はじめました ─狩猟女子の暮らしづくり─

 

 

3月11日。

 

あの日、人生を“変えた”女性の物語。

 

あの日、僕は後期大学受験のため大阪にいて、揺れを感じることもなく、

その後もテレビで報道を見ながらも特に何かを感じることもなく

浪人時代ぬくぬく過ごし、大学生となった。

 

でも、「この生き方でいいのかな」っていう想いが漠然とあった。

 

なんとなく社会貢献したい。いや、そんな大きなことでもなく、

 

「誰かの役に立ちたい」

 

ふわっとそんな想いを抱えていた。自分が一番大事なんだけど。

 

そして、大学では出会いに導かれ、パラグアイ行ったり、トンガに行ったりして、いわゆる“国際協力”の世界にちょっとだけ触れた。

 

国際協力がしたかったわけではなく、「人の役に立つ」場所が海外になっただけで

それは運命というか、ご縁だったと思う。

 

んで、これもご縁なのか、

大学最後の年、今はなき野毛の名店(迷店?)麺房亭でのバイト中、

例によってお客さんがおらず、いつも通り店においてある本を読みふけっていたときに、この本出会った。

 

 

衝撃だった。

 

 

この本の著者、畠山千春さん(@chiharuh)は震災を機に生き方を変えた。

 

「食べ物を自分でなんとかする」

 

それを追求することは、正直相当しんどいことになると思う。

 

なぜなら生命と向き合うことだから。

 

実際この本を読んでいても、心をぎゅーっと掴まれている感覚になる。

 

 

普段、スーパーで安く食品を買い、テキトーに料理して、食事をする自分。

 

どんな過程でその食材が目の前にあるのかを知ることもない。

知ろうともしない。

 

でも

自分の身体を形作る、人間にとって不可欠な行動なのに、それでいいのかなって心の底では思っている。

 

 

この本では、僕と同じような状況から

震災を機に、動物の解体からはじめ、狩猟の道へと進んでいく一人の女性の想いや葛藤が綴られている。

 

動物と直接的な関係を結ぶことを大事にし、

徹底的に生きることと向き合う姿がとてもかっこいい。

 

狩猟を批判する人もいらっしゃるけれど、人間はいろんな生命をいただいて生きている中で、そういう現実に蓋をして「生命を奪う」という一瞬の行為だけを切り取ることはナンセンスだと思う。

 

食べること、そのものと同化する、という考え方が宗教チックというかスピリチュアル感あるけど、すごいしっくりくる。(体感していないけど)

 

 

この本を読んで、狩猟をしたい、というか

 

漁師飯が食べたいと思い

 

2018年年明け早々、滋賀県の漁師さんグループに同行させてもらったけれど

みなさん、自然への敬意がある方々でした。

結局そこでは、解体するのは見られなかったけど、

夜、ご馳走になった鶏が美味かった。。

 

 

狩猟の目的は、別に生命を奪うことに快楽を感じているわけでは決してなくて、

 

シカやサルなど実際に畑を荒らし、農家さんが困っている。

シカが増えたのは、オオカミが絶滅してしまったからで、

オオカミが絶滅してしまったのは、人間の開発によるもの、

シカが増えると土砂災害とかも起こりやすくなる。

結局、巡り巡って困るのは人間なのに、見て見ぬ振り。

 

都心にいると、自分ゴト化できない問題かもしれないけど。

一旦知っちゃうと気になる。

気になるけど、そこに向き合えない自分。

 

なんだかな、って心がズーーーーンとする。

 

 

 

 

食べ物の問題、自然の問題、生きることの問題

 

この本は色々考えさせられることが多い。

 

 

畠山さんの根底にあるのが、

 

「絶対に生き抜いてやる」という「生きることへの強い執着心」(p.11)

 

であって、

 

「世の中がどれだけ変化しても、たとえお金という手段が使えなくなっても、自分の足で立ち、幸せに暮らしていく生き方」(p.11)

 

を実践している彼女をとても羨ましく思う。

 

これから理想的な生き方なような気がする。

 

パラグアイでの生き方も、トンガでの生き方も、今の生活も、

そこにいる人たちは、そこでの生き方を楽しんでいる。

 

というか、パラグアイやトンガで動物を絞める瞬間、逃してしまったのめっちゃ後悔。

 

 

うーーーーーーーん、今の生き方でいいんかなぁ。

 

ひきこもりが一番好きなんだけども、もうちょっといろんな人に会ってみよう。

 

 

以上

徹底した商品づくりとそこにある想い。途上国発のブランドをつくる、とは。

 

裸でも生きる ~25歳女性起業家の号泣戦記~ (講談社+α文庫)

裸でも生きる ~25歳女性起業家の号泣戦記~ (講談社+α文庫)

 

 

3年ぶりくらいに読み直した、『裸でも生きる』

 

国際協力に真摯に向き合い、「途上国から世界に通用するブランド」を創り上げている、マザーハウス山口さんの生き方を、「すげぇな」なんて言葉では片付けられない感覚を抱いたことを思い出した。

 

いじめられた小学生時代、グレた中学生時代、柔道に打ち込んだ高校時代を経て

慶應SFCで開発学を学び、国際機関に飛び込む。

国際機関の仕事から「現場が見たい」とバングラデシュに単身渡航し、バングラディシュの大学院に進学。

バングラでの日々、ジュートとの出会い、起業しテーの、バッグ作りでのすったもんだ…実際にバッグ職人のもとで自ら修行したり、、まるでドラマのような生き方。

 

素直に、思ったままに行動して、何かにぶつかっては泣いて笑って突き進む。

 

ものすごく端折って羅列してしまって申し訳ないのですが、どのエピソードも濃厚で、物語として楽しめるような、山口さんの半生。

 

 

ただ、本気で物事に打ち込む姿勢に、当時、正直僕は若干引いた。

 

何故か。


僕自身が本気で何かに取り組んでるといえなかったから。

国際協力にしたって、多分何にしたって、"想い"がないことは悪だと思っていた。

今もそこに悩むことはある。

でも同時に、自分の"何かに対する想い"はきっとどこかにあって、

そーゆーのをちょっとずつ形にしてこうって思えるのは成長といえるかわかんないけど、それでいい。うん。

 

自己啓発、おしまい。

 


さて。
僕は大学で藤掛洋子先生と出会い、国際協力について学び、先生のおかげで国際協力の現場にもほんの少しだけ関わらせていただき、座学と現場の違いってのを肌で実感したので、山口さんの奮闘記にはすごく共感できる。

 

国際協力の世界に関心ある方はぜひ藤掛ゼミの見学にいらしてください。

↓↓↓

藤掛洋子研究室/Fujikake Yoko

 

 

ふわふわ田才諒哉先輩のブログも

 

国際協力とか変な人とかに関心がある人はぜひ。

(尊敬している先輩ですので悪しからず。)

www.ryoyatasai.com

 

現場で起こってることって、日本で想像してるのと、

本当に!全く!全然!異なっていて、支援とか援助って本当に難しい。

 

国際協力の一端というか、ほんの入り口でも超ハードル感じたくらいで、「国際協力の何知ってんの」って詰められたらぐうの音も出ないけど。

 

パラグアイで学校建てようとしたり(僕はずっとカメラ回して編集してた)、

フェアトレード始めたり(言い出しただけでほとんど後輩任せ)、

青年海外協力隊としてトンガで活動したり(料理作って、踊って、健診して国を回る)

 

などと先生と周りの方々のおかげで貴重な経験をさせていただいて本当に感謝しているのですが、

 

一番学んだことは、


現地の人の生の声の大切さとそれを聞くための信頼形成。

 


山口さんも様々な局面で、問題にぶつかっては現地の人に全力で向き合っている姿が、この本からものすごく伝わってくるし、そうしなきゃ物事は成功しない。


言葉も文化も違う中で、相互理解なんて超難解だし、(そもそも人間同士が分かり合えんのかって思うし)、信頼関係ってどうやって築くねんって、そこに悩み出すとしんどいけど、

 

そこで大事なのってやっぱり

自分はこうしたい、こうありたいっていう想いに他ならない。

その想いを持ち続け、行動し続けることで、同じ想いを共有できる仲間が増えていく。

 

いつの時代も大事なことは変わらない。
そしてこれからの時代、もっとそーゆーのが大事になってくるような気がする。

 

本当に質の高い商品、そこにかけられた想い、そしてその発信。


それによって、数は少なくても熱狂的なファンを作っていく。

そしてその熱狂的なファンが新しいファンを呼び、コミュニティが出来上がっていく。

 

 

 

ふと、コミュニティって共同幻想だよね。

「戦後最大の思想家」吉本隆明の思想的達成『共同幻想論』とはなにか?|新しい「古典」を読む|finalvent|cakes(ケイクス)

 

吉本隆明さんの本ももう一度読み直したい。

 

 

 


それが今後ビジネスとしても成功するのに必要なことなんじゃないか。

 

事実、マザーハウスの商品はクオリティ高い。

 

社会人になるってことで、谷中行った時たまたま出会ってうわーってなって買っちゃった。超満足。

shop.mother-house.jp

 

バングラデシュの似たような商品と比べて高いよ!っていう人もいるけど、価値を判断するのはお客であって、マザーハウスのストーリーそのものからそれだけの価値があると思える。

 

そういった意味ではこの本はすごくいい広告だし、見せ方もうまい。

藤掛先生もそうだけど、ドラマチックな語りは人を惹きつける。

国際協力で仲間集めに大事な能力。

ドラマ仕立てがうまいといったら反感を買いそうだけど、人の興味喚起はドラマに尽きると思う。

想いをきちんと届けることもこれからの命題。

 

 

にしても、改めて、サイトみると、マザーハウスっていろんなことやってる。

絶対熱狂的なファン多いよね。

サイトすごくステキ。

 

www.mother-house.jp

 

 

ファンと共に製品づくりを行うザダンシリーズ

ZADAN|MOTHERHOUSE

 

 マザーハウス✖︎H.I.Sのツアー

HISツアー|MOTHERHOUSE

 

マザーハウスカレッジ(キングコング西野さんも出てた!)

マザーハウスカレッジ|MOTHERHOUSE

 

 

めっちゃ面白そう…!

 

 

本気の人たちとぶつかるのは僕は情けないくらい怖いんだけど、

一歩踏み出して行ってみようかなと思います。

 

以上