全僕にできる恩回し

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読書記録や住んでるシェアハウスの暮らしをつらつらと。

『明日の広告』

佐藤尚之アスキー新書

 

「まずは大局をつかめるように」という上司の言いつけを早速やぶり笑

 

「面白そう!読んでみたい!」と思ったままに読み始めた4冊目がこちら。

 

 

明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法 (アスキー新書 045)
 

 

 

やっぱ読んでよかった!笑

スラムダンク一億冊キャンペーンのとこ読んでたとき、鳥肌たってましたもん、

通勤電車の中で。

 

とゆーことで、最初にその話を取り上げます。

今日も長くなりまっせ。

 

スラムダンクってバスケマンガ知ってる人は多いと思います。

僕めっちゃハマってました。アニメも漫画も大好きでした。

 

で、「黒板に書かれた、最終回後のスラムダンク」ってゆーのありましたよね!

これ知ったとき、すげぇな!読みたいな!とか思ってたんすけど、あれって単なる作品ではなくて、その後ろにメッセージがあること、なんで企画されたのかってことをこの本を読むまで全く知らなかった。恥ずかしながら。

 

もともとは2004年に累計一億冊に達したことをきっかけとして、「読者のみんなにありがとうという気持ちを伝えたい」という井上さん(著者)の想いを個人広告というカタチで実行しようとしたんですって。これ連載終わって8年も経った時のお話。

 

大きな声でありがとう!ってのは違う。

マンガは一人で読んで、作品の世界観に没入するものだから。

 

読者の数だけある、スラムダンクへの想いに対して、それらを一括りにして井上さんからありがとうと言うのは違う。

 

じゃあその一人一人の読者にどんな"ありがとう"が届くのかを考える。

 

「『もうスラムダンクって作品は、井上さんのものじゃなくて、彼らのものなんだよね』みたいな言葉」(p.147)が発端で、

 

すべきことは、

彼らが喜ぶことを、実行すること。

 

それは、何か。

スラムダンクの世界に帰ること。

 

そして

そのための「場」を作る。

 

例えば、最後の山王戦のスタンドに読者自身が座ってもらう。

 

ウェブ上にそういう「場」を作り、彼らだけに伝わる方法でそれを告知して、来てもらう。

 

伝えたい相手だけに伝える方法を考え抜いた案。

 

その結果が、2004年8月10日の6紙の新聞に掲載された全面広告。

(著作権とか大丈夫なんかな)

 

f:id:mooooooooon309:20170426222535j:image

 

それは、一言メッセージと、登場人物の画と

「一億冊の感謝を込めて 井上雄彦」とサイトのURLだけという、スラムダンクを知らない人には、何が何だかわからない"広告"

 

こんなん新聞読んでて出てきたら超感動でしょ!

僕は当時12歳!新聞読んでたはずなんだけどなぁ。中日新聞だったからか見た記憶がない!泣

 

「つまりこれは『スラムダンクを読んでいたあなただけに語りかけていますよ!』というボクたちからのメッセージなのだ」(p.154)

 

これが読者間で話題となりクチコミが生まれバズった。

 

で、URLからサイトまでいくと、

(多分当時新聞広告に気づいても、検索するって考えはなかっただろうなー。)

これも不親切な設計で、サイトにいくといきなり

 

スラムダンクに何かメッセージを書いてください」と強制されたんですって。

だけど、メッセージ書いて、名前とアドレスと自分の観客キャラクターを選ぶと…

 

スラムダンクの最後の試合の会場に入れる!!

 

で、観客席にマウスを重ねると、書いたメッセージが表示される!!

 

観客席は無限横スクロールでスラムダンク読者たちが数万人座っていて、メッセージの寄せ書きみたいになっているんだって!!

 

いやー、もう文章力がなさすぎて、伝わらないかもしれないのが残念極まりないんすけど、(参照:SLAM DUNK

 

俺はこれで鳥肌立ちました。

そう、通勤電車の中で。

 

んで、

ある日そのサイトにさりげなくイベントの告知をのせた。

 

そう、それが、「スラムダンク-あれから10日後-」

最後にリアルな場を提供した。

 

読者にスラムダンクを読んだときの中学や高校の匂いを思い出してもらおうと、学校を借り切った。

そして、「8年ぶりにスラムダンクのその後のストーリー」が描かれる。教室の黒板にチョークで。

 

もうほんと感動っすわ。号泣してる、

このブログ書いてる通勤電車の中で。

(くどい)

 

 

 

さとなおさんが言うように、これは超特殊な例であるけども、

 

伝えたい相手のことをとことん考える。 

 

伝えたい相手はどこにいて、何を望んでいるか、を徹底して考えることが、これからのマーケティングで絶対に忘れちゃいけない視点。

 

この本読んで書きたいことはたくさんあったけど、もうここに尽きるでしょ。

 

ちな、さとなおさんのサイト

http://www.satonao.com/

 

 

一応、もう少しだけ書こう。

本の冒頭で、広告をラブレターに例え、消費者にいかに届かなくなったのかを説明している。

 

・4大マスメディアだけで、相手に届く

・娯楽が少なかったから読んでくれる

・信頼されていた

 

つまり、モテ期だったから、表現勝負すればいいだけ。

 

だけど今はSNSなどの、時代の変化によって

・届きにくい

・他に娯楽ある

・口説き文句を信じてくれない

・クチコミ見ちゃう、信じちゃう

 

つまり、モテ期は終わり、仮にラブレターを受け取ってもらってもスルーされたり、なかなか口説き落とせない。

 

 

だから、ラブレターを渡して告白成就するには

・相手のこと(趣味や行動)をよく知って

・行動を先読みして待ち伏せし、確実に

・他の娯楽にいかせないよう、感動的に

・その後もきちんとケアする。

 

つまり、消費者本位の考え方とコミュニケーション施策、買った後のことまで考える。

 

これって広告に限らず、どんな商品、サービスにも当てはまるよね。

 

 

 

これぞコミュケーション・デザインって話でした。

 

 

 

モヤモヤポイントとしては、

「広告はお見合い結婚から恋愛結婚に変わった」

ということも聞くけど

 

実際の結婚が、またお見合い(出会い系や婚活)が復権しているように思えるけど、広告は不可逆なんかな?

 

 

 

 

 

まぁ今回のブログで何が言いたかったかというと、

 

 

スラムダンク最高!!

 

ということです。

 

以上!