全僕にできる恩回し

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読書記録や住んでるシェアハウスの暮らしをつらつらと。

やばい、この本読むとキャンプに行きたくなるのは俺だけ? 『好きなことだけ!を仕事にする経営』

 

スノーピーク「好きなことだけ! 」を仕事にする経営

スノーピーク「好きなことだけ! 」を仕事にする経営

 

 

世の中には面白い企業がたくさんあるんだなぁと

 

社会人になってから知る。

 

アウトドアメーカーのスノーピークもその一つ。

 

著者でもある、山井太社長はマーケティングはしないと仰っておりますが、

 

他の企業と同じことをしないだけで、

めちゃくちゃいいマーケティングしてはるやん

って思ってしまいますが、それはさておき。

 

 

何がすごいかって、

 

①徹底したユーザー目線

②新しい商品とその品質の高さ

③商品に留まらない価値提供

そうして

④熱狂顧客を獲得している

 

ところじゃないかなぁと思います。

 

 

 スノーピークのミッション・ステートメントスノーピークウェイ)を

一言で表すと「ユーザーの笑顔」(p.11)で、

ありきたりといえばそれまでなんだけど

それを本気でぶれずに追求し続けていると断言されている。

 

その証拠が、商品の永久保証であったり、社員とユーザーが一緒にキャンプするイベントだったりするだろうが、

 

「『自らもユーザーであるという立場』で考える姿勢」(p.26)があるからこそ

顧客を感動させることができる。

 

自分自身が熱狂していないのに他人を熱狂させることができるはずなんてなくて

自身がユーザーとして本気で楽しんでいるからこそ、同じ趣向を持った人を楽しませることができる。

 

当たり前なんだけど、難しいこと。

 

 

その姿勢があるからこそ、他にない新製品を企画し、売ることができる。

ハイエンドキャンプ用品という市場を創り上げたこともそうだし、

丈夫なテント、使いやすい焚き火台、など全ては

ユーザーがもっとキャンプを楽しむことができるように、なのだ。

 

 

 

そうしてそれは、

「自然の中で豊かで贅沢な時間をすごす」という、価値を提供しているわけだ。

 

都心疲れ、や自然回帰という言葉をちらほら聞くが、

ジャストミートで、「自然志向のライフスタイル」の実現を後押ししてくれる企業はありがたい。必要とされる。

特に、震災以降、若者のIターンなども取り出されるが、改めて自然に憧れを持つ人はこれからも増えていくのではないだろうか。

 

その時に、ハイエンドキャンプ用品が必要かどうかはともかく、

世の流れとしては、まだまだ需要が伸びそうだと思う。

 

 

ポイントカードも秀逸で

熱狂度が高まる仕組みが盛りだくさん。

キャンプを楽しみながら、どんどんランクが高まると

もっとキャンプも好きになるわけで

本読んでいるだけで、キャンプがしたくなりました。

 

 焚き火は何度か体験があるけど、たまらないっすよね。

火を見つめているだけで、心落ち着くし、

ポツリポツリと人と話す、あの空間。

 

スノーピークウェイ」というキャンプイベントで

社員とお客さんが一緒になって、語り合うこと。

これ、企業がファンづくりする上でものすごい大事なことだと思う。

 

 往々にして、企業が考えていることとお客さんが求めていることってずれてるだろうし

量的調査ではわからないこと、ホンネが聞ける。

そしてそれ以上に、ヒトとヒトが火を囲めば、それはもう親密感が違う。

直接的な人間関係が、信頼へと繋がり、根強いファンへとなっていく。

 

これも簡単なようで、難しい。

 

数字に表れづらいし、赤字かもしれない。

 

それでもスノーピークは98年からずっと開催してきた。

 

この継続がスノーピーカーを熱狂させ続け、新たなスノーピーカーを生み出し続けてきたのだろう。

 

 

また、そういったいわゆる派手な部分だけでなく

 

例えば、問屋経由ではなく、直接販売に力を入れたり、SNSでファンと交流を図ったり

地道なクライアントファーストを続けている。

 

それを支えているのが社員であり、社員教育も徹底している。

社長が全社員の日報読むとかほんまか!?とか思うけど

採用の段階からキャンプが好きで、自分で考えられる人間を採用し、きちんと育てているそう。

 

その基盤こそがミッションステートメントであり

それを全社員がきちんと共有していること、想いを持っていることが

これからの企業で求められてくるだろう。

 

社員も顧客も幸せになるために。価値を提供していくために。

 

以上