全僕にできる恩回し

全僕にできる恩回し

読書記録や住んでるシェアハウスの暮らしをつらつらと。

『結婚しない男たち』

荒川和久著 2015 ディスカヴァー携書

 

仕事で大きすぎるミスを3連発して

死にたかった7月も終わり、8月。

 

時間は待ってくれないから、

失敗はきちんと反省して、それを取り返すだけの努力をしなきゃいけない8月。

 

というよりも、結果を出す。それだけ。

 

 

かといって読書もきちんと続けたい。

自分で立てた目標なのだから。

 

 

ということで、こちら。

 

 

 

 

 

シリアスな雰囲気から始まってしまいましたが、この本はフランク!

 

そして、僕自身にとても関心のあるテーマだし、

何よりマーケティングを考える上でもけっこう重要な視点があると思います!

 

 

2014年に博報堂でソロ活動系男子研究プロジェクトが始まり、

 

今まで、見向きもされなかった独身男性の生態について調査して、

マーケティングターゲットとしての可能性を探るというテーマの本でございます。

 

 

だってよ、独身男性って、もはや少数派ではなく、消費のポテンシャルも高い。

 

自分のために思う存分お金を使って、欲しいものを買えるのだから。

 

それでは

「ソロ活動系男子」、略して「ソロ男」

結婚“できない”ではなく、結婚“しない”独身一人暮らし男性を探っていきましょう。

 

 

 

そもそも日本のみならず、世界的にも、単身世帯の増加が起こっているらしく、

また日本においては、20~50代の未婚男性は20~50代の未婚女性より200万人以上多いそうだ。

 

 

昨今、草食系男子やら、少子化、晩婚化など色々言われておりますが、

ともかく、「結婚することが当たり前で常識だった時代ではなくなってきている」(p.4)

 

この辺でポリアモリーの話もしたいけど、テーマがそれちゃうんでまた今度。

 

 

今まで、F1層とかM1層とかいうくくりがマーケティングの世界では使われてきたそうですが、

2010年の国勢調査の時点で、それらを合わせた数字(2200万人)よりも、

(20歳以上)男女の未婚者の方が多い(2370万人)んですって!

 

 

こうやって社会構造が変化すると市場も変化するわけで、

だからこそ、今までカテゴライズしてこなかった、というよりも

無視し続けてきた、独身男性の旺盛な消費力に着目していこうよ、っていう話。

 

なんで無視し続けてきたかというと、

「独身男性は低収入で消費力が弱い」

と考えられてきたからである。

 

 

しかし、だ。

 

2013年の「家計調査」単身世帯の消費支出実額を見ると、

独身男性の消費支出実額は女性よりも大きい。

 

 

 そりゃあ、働いて、お金稼いでいるのだから、消費するお金はある。

それをどこに使っているかを、きちんと把握すれば、適切なマーケティング施策が打てるし、そうすべきなのだ。

 

改めて、この本のキーワードとなるソロ男の定義は、

・独身20~50代の男性

・親と同居していない一人暮らし(ルームシェアは可)

・ちゃんと働いていて親などに金銭的に依存していない

・自由・自立・自給の価値観を持っていること

(p.46)

 

一口にソロ男といっても、いろんなタイプがいて、p.46から簡潔に紹介されているが、割愛。

 

(アンケートの紹介もされており、自分がかなり当てはまっていて、ソロ男疑惑が濃厚。特に、「自己承認」という達成感を求めたがる、というとこがビビッときました。)

 

そんなソロ男を動かすツボについて、男性学を研究している田中俊之さんは

「達成」と「逸脱」、そして「自分で決めている感」と述べる。(p.98, 99)

ちょっとわかりそうで、まだわからない。

 

 

ソロ男は、

「買い物に真剣」で、

「一度決めたら一途」、

そしてモノを大事に長く使う。

買う物にはメリハリがあって、自分のこだわりを重視する。

 

ただ、

流行は好きじゃない。笑

 

 

また、性格分析も書かれているのだが、

これまたショックというか、ズバリ(自認しているが)

 

頑固で天邪鬼。

 

要するに、

かなりめんどくさい奴。

 

p.130で紹介されている、あるあるネタがやばいので、一部抜粋します。

・誰かと遊びたがるくせに一人になりたがる

・結婚する気が無いくせに、自分はほめられたがる

・他人を気にせず自由に生きたいと言うくせに、他人の評価を気にする

・店員のアドバイスは重要と思っているくせに、店員との会話が苦手

etc.etc.

 

自己矛盾行動。

 

じゃあ、マーケティングで動かないのかというと、決してそのようなことはないらしく

 

企業が推したい商品であっても、「言われて決めた」ではなく、

「自分が決めた感」さえ演出してあげれば納得もしてしまう(p.123)。

 

 

単純、というか、愛すべき存在じゃないか、と思ってしまいますねw

 

 

 

前述の男性学専攻の田中俊之さんもそうだけど、

この本の中で、様々なジャンルの人との対談が掲載されていて、これまた面白い。

 

宝島社『MonoMax』の柚木昌久さんによると

 

・男の買い物は、本質的なモノを吟味し、心を豊かにする消費。

・いかに人気な雑誌でも、広告タイアップはとても難しいらしく、普通のページと同じクオリティじゃ無いと全然響かない。

 

やっぱあれなんすかね。

「広告にはなびかないぞ」とか「俺しか知らない感」とか「俺が育てた感」

ってのが、深層心理にあるんすかね。

 

 

あーめんどくさい奴らだ(自分を含む)

 

だけど、趣味には時間もお金も大量に使うので、

一旦、お客さんになってもらえば、熱狂的顧客になりやすい。

ただ、熱狂的推奨者にはなりづらいのかな。

 

話したがりだけど、秘密にしたがる。

でも、例えば「その時計いいね!」とか言われちゃうと

「そうなんですよ!どこどこで買ってね、これこれが良くてね…」なんて長々と語り出す。

 

自己承認されたいし、ほめられたいから。

 

でもめんどくさいことは嫌いだし、自由に好き勝手生きていたい。

 

あれ、これ僕の話か。

 

 

 

ともかく、

・最近、ソロ男(独身男性)が増えていて、

・消費力もあって、好きな商品は買い続けてくれるから優良顧客になる可能性アリ

・ただ、「勧められたものは買わない」とかめんどくさい部分が往々にしてある

・「趣味縁」や「自分で決めた感」など、うまいこと刺激してあげることが大事。

 

 

ということで、熱狂的顧客になるかは難しいところだけど、

もっとここの層を狙ったマーケティングに力を入れるべきではないでしょうか。

 

 

以上